- 手が醸し出すメロディ、弦楽器 -
A String Instrument


ロエイズ 著



はじめに

「自分で作るメロディー、管楽器」の出版後に、音楽を愛する多くの人々から他の楽器についての本を出してほしいとの手紙をもらった。他の楽器演奏者に迷惑をかけてしまったと反省し、今回は弦楽器について書いてみたいと思う。

弦楽器は、弦を振動させ音を出す楽器のことをいう。

エリンでは、直接手で奏でられる弦楽器が広く愛されてきた。今日、弦を弓でこすることによって音を出す擦弦楽器が専門家らによって研究されており、通常の弦楽器とは異なる音色を作り出すのではと期待されている。

弦楽器は木で作られているため、湿度、温度などに大きく左右される。極端に湿っていたり、乾燥したりすると、致命的なダメージを受け楽器としての命を失ってしまう。長期間演奏せずに放置してもその音が死んでしまうため、常に演奏するなどの細心の注意が必要である。

吟遊詩人を見ていると、他の楽器に比べ弦楽器を愛用することが多いのに気づく。これは弦楽器がダイナミクスを幅広く表現でき、音色がわずかなニュアンスまでも表現できるためである。

エリンの代表的な弦楽器は次のとおりだ。

リュート
バランスのとれた音色で、独奏・伴奏・合奏音楽に幅広く使われる弦楽器。一般的に棹と胴からなる弦鳴楽器の総称として使われている。

マンドリン
マンドリンの音色は、とても澄んだ物悲しい印象を与える。プレクトラムを素早く上下に動かし演奏する。特にトレモロ奏法がドラマチックな雰囲気を醸し出すのに一番効果的だ。

ウクレレ
澄んだ軽快な音色を持つ楽器で、調弦の不規則な音程が作り出す独特な和音が個性的。リュートとマンドリンに比べ、持ち歩きしやすく多くの吟遊詩人が愛用している。