-ムンゲートの由来-
The Building of Moongates


ミイアン著




モイトゥラ野原であった2回の戦争で、あの邪悪な魔法士ザブキエルが使用した月石落下魔法は世界を恐怖のどん底に陥れるに十分だった。

それはイウェカの力を借り、エリンのもう一つの月ラデカの月石を引き出して地上に落とすこと。

多くの人々が空からの災いで苦しみ、月石が落ちてきた森や村は焼けてしまった。
幸いに偉大なマウラスがザブキエルを退治してくれたせいで、人間はザブキエルの魔法で暮らしの場をなくし、ポワールに屈服しただろう。

戦争が終ったあと、復旧や再建の動きが活発になっていたころ、ドルイドたちはエリンのところところで発見されたラデカの破片に月石落下魔法を試していた当時集中されていた巨大なマナが入っているということがわかった。

このマナをどういうふうに使うのかについて多くの魔法学者たちが研究した。

長い間の研究の末、彼らが出した結論は二つ。

一つは月石を元々それが属してある世界だったラデカに戻すこと。月石に集まったマナを基にした逆魔法を使うとイウェカの光りがこの月石に落ちるときにマナの力を活性化して空間を歪曲、遠くから離れているところの月石とつなげ、月石を移動させることができるということだった。

しかし裏切り者によって起こされた戦争の痕をなくして自然を回復しようとする主張はその後登場した実用的な思考を基にした結論によってすぐ消えてしまった。

それは空間を歪曲させる力を利用して物資や人力を移動させること。熟練魔法士の場合、簡単な呪文だけで月石とイウェカが出す力を利用して人や物を地上の違う月石が存在するところまで移動させるということから出された結論だった。

このように月石の用途が決まるようになると魔法士たちは移動時によく使われる魔法を、マナの力が入った呪文を刻み込んだアーティファクトとして作って祭壇を積んだのだ。

そしてイウェカの力が夜を支配するようになったら祭壇の月石は別のところの月石とお互いに同感しながら、自分の代わりに祭壇の上に上がってきた者が空間の制約を通過できるように門を捧げてあげた。

今日もこの門を使う人たちよ、覚えていなさい。
これがまさにムンゲートの由来だ。