コール式瞑想法研究 - 中級 -
Cor meditations thesis - Middle -


作者未詳




はじめに

トレーニング中の人ならメディテーションの真の意味は自分と世界を省察する事であり、 このためには平常心を保ち続ける事が重要なのはご存じのはず。

だとしたら、どうすれば平常心の維持時間を延ばせるだろう。

その鍵は呼吸調節にある。

コール式瞑想法は瞑想の際、意識集中より呼吸調節を重要視する。


呼吸は瞑想の中でも最も基礎的な分野で、呼吸が整っていないと いくらトレーニングを重ねても深い瞑想には到達できず、 マナの回復も遅くなるからだ。 広く知られている多くの瞑想法が共通的に提示している方法は、呼吸を調節する事だ。

しかし残念な事は、呼吸調節に対する重要性は常に強調されてはいるが 呼吸調節がどのような意味を持つかについて知っている人は多くないという事だ。

よって、中級編では呼吸調節の真なる意味について記しておきたいと思う。


本文

人間にとって呼吸は命を維持するための最も必須的で基本的な活動だ。

一般人の場合、短時間なら呼吸が多少乱れても大きな支障はない。 だが、マナを扱う人の場合は話が違ってくる。

短い時間とはいえ、呼吸が乱れると心もともに乱れて瞑想を維持できなくなる。 その時間が長くなればなるほど雑念が増えてストレスが溜まり、結局身体の不均衡をもたらす。

こういった時こそ、呼吸を調節する能力が必要とされる。

身体が不均衡状態に陥り、内部のマナが乱れた場合でも呼吸を調節し続けると いつの間にかマナが円滑に循環し、心身の安定を取り戻す事ができる。

安定を取り戻してからも呼吸調節を練習し、無意識状態でも呼吸が整った場合、 いわゆる'覚醒'状態といった瞑想の効果を得る確率が高くなる。

乱れた状態を安定的にし、延いては瞑想の効果を得られるようにする、 これが呼吸調節の真なる意味だ。

整理すると以下の通りだ。

1. 呼吸と心の状態の流れは同じだ。

呼吸の状態により心の状態も変わるという意味である。

荒い呼吸は荒波のように心が不安定になるとともにマナの流れも荒くなり、制御が難しくなる。 反面、安定した呼吸は風もない湖のように心を落ち着かせ、平穏な状態を保ち続けられる。 また、身体内部を流れるマナも詰まる事なく流れるようになる。

心が一瞬でも乱れる事があっても呼吸を上手く調節すれば、すぐに安定させる事ができる。



2. 意識的に努力しなくても雑念を追い払う事ができる。

自然に呼吸調節ができるようになれば、雑念も自然に追い払う事ができる。

呼吸調節をトレーニングしていれば、いつの間にか意識しなくても自然に呼吸が調節でき、平穏な状態なる。 この状態で瞑想を試すと、あなたはマナの流れをより明確に感じる事ができるだろう。 更にこの状態でマナの流れに感覚を集中させてみると、無念無想の状態になり、雑念を追い払う事ができる。

勿論、瞑想に慣れていない状態なら最初は呼吸を意識的に調節する必要がある。

3. 高いレベルの瞑想が可能になる。

自然な呼吸調節に慣れるという事は、以前より更に高いレベルの瞑想ができるという事を意味する。

無意識の中でも呼吸調節ができるようになると、あなたの心はより清く、より深くなるだろう。 この際、身体の均衡と心の均衡が調和してより高いレベルの瞑想を体験できる。

高いレベルの瞑想が可能になると、自然から得られるエネルギーの量が増え、 消耗したマナも短時間に回復できる。


おわりに

メディテーションのトレーニングはさることながら、日常生活でも地道に呼吸調節を練習すれば、 心身に溜まったストレスを解消し、より健康的な生活を送ることができるだろう。

周りに心が不安定だったりストレスに悩まされたりする人がいれば、 呼吸調節の意味を教えて、一緒に修練すると良いだろう。

次回は呼吸を調節した状態で可能な瞑想、 呼吸瞑想について説明しよう。