- 魔法の模様について (3) -
About the Magigraph (3)


目次

1. マギグラフィと図案の限界
2. マギグラフィの分解と回復

1. マギグラフィと図案の限界

形象化したマギグラフィに宿った力は、マギグラフィ図案から発生した力を模写したものと思われる。

いや、形象化が繰り返されるほど図案の力も弱まっていくため、厳密に言うと模写よりは分割と言った方が正しいかもしれない。

結果的に、一つの図案でマギグラフィを形象化した回数が累積され、図案自体が持っていた力は消える。

マギグラフィに関する理解が深まるに伴い、形象化できる回数は増えたが、私の場合は最大10回が限界だった。

また、形象化したマギグラフィの効果を発動することによってマギグラフィの力も弱まっていくことが分かった。

効果自体が弱まるわけではないが、マギグラフィという器に入っている力の総量が次第に減っていき、25回ほど発動すると空の器になる。

もちろん空になったマギグラフィは力を発動することができない。

2. マギグラフィの分解と回復

だからと言って、力が消えた空のマギグラフィが完全に使えないというわけではない。

前述した通り、マギグラフィは器。

空の器に魔力を満たすと再び本来の力を発揮できるようになる。

もう一つ面白い点は、マギグラフィ自体が他の器を満たす魔力の供給源として利用できることだ。

錬金術を活用してマギグラフィを乾式かまどで分解すれば、他のマギグラフィの力を再び満たす材料として活用できる。

この時注意することは、こうして補った力がどんな形なのかは(つまり、発動する時どんな効果が現れるかは)満たした中身ではなく本来の器によって変わるということだ。

例えば、一時的に生命力を回復する効果がある1番目のマギグラフィの力が消えたとしよう。

ここにマナを回復する効果がある2番目のマギグラフィを分解し、これを利用して1番目のマギグラフィの力を再び満たしたら?

そのマギグラフィはマナではなく生命力を回復する効果を持つだろう。

普通の器に料理を入れると、その料理の材料によって味が変わるが、マギグラフィの効果は器の形がその効果を決めるという点が実に面白い。