- シェイクスピアの日誌 -
Shakespeare's Journal
シェイクスピア著
はじめに…
名も知らぬ大地と空、昼と夜を眺めながら、ここへ来てからの日々を幾度も数えた。だが、私は今も帰れないままここにいる。
もう過ぎた日々を数えるのはやめよう。昨日はこの本に預け、私は明日を見なければ。ベラが私にこの本をくれた理由はそこにあるのだろうから。
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(ベージが抜け落ちている。)
2ページ
ソウルストリーム。
ベラはそう呼んだ、一体どういう意味なのだろう?何十回も行ってみたが、今もあそこの正体が何かは分からない。ただ…毎回あそこから出てくるたびに胸を締め付けるような物寂しさを感じた。
ベラは今どこにいるのだろう?ベラはあのとき、どうしてあそこにいたのだろう?私を待っていたのか、それとも…。未来よりも過去を見る能力が欲しいと何度も思った。
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(歳月の流れに負けたのか、ページが抜け落ちている。)
6 ページ
ベラが戻ってくると言っていたのは明日だったか?ベラはよく、エイヴォンを離れていることがある。どこへ行くのかは聞かなかった。彼女が私の過去を尋ねないように…
しかし、一日中笛を吹きながら動物たちと遊ぶのにも疲れた。明日はどんな滅茶苦茶な吹き方をすればベラが笑ってくれるだろうか?下手なフリをするのも楽じゃない。ハハ。
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(ページが抜け落ちている。)
8 ページ
自分だけ生きていて…
守れなくて…
ごめん。
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(歳月の流れに負けたのか、ページが抜け落ちている。)
17 ページ
……まさかまたベラを失うことになるとは思わなかった。いや、知っていたと言うべきか?氷のように暗い深夜に、私は彼らを見たのだから。キホール…モリアン…そしてベラ。
あれが初めてだったのだろうか?いや、おそらく違うだろう。エリンと呼ばれるこの地に来てから、なぜか夢をよく見るようになった。
最初は記憶できないぼやけたイメージと、うなるような小さな声。それがある瞬間から次第に形を得て私の記憶の中に食い込み始めた。
予知夢…予知夢か…。きっと幼い頃に誰しもこんな想像をしたことがあるだろう。未来を覗ける能力があったら…!もしも未来を知ることができたら、人生はどんなに楽しくなるだろうか?
しかし現実はそう単純ではない。苦痛にもだえる人々…洪水…火災…あらゆる災いのイメージでいっぱいだ。そしてベラも…しかし彼女に関する夢は…
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(ページが抜け落ちている。)
24 ページ
疫病からパルホロンの子供たちを救ったという知らせが女神の機嫌を損ねたようだ。特に、私の予知夢能力について懸念を抱いているらしい。女神の目には私が危険なたいまつを持った子供のように見えたのだろうか?
だが…もしも再び同様の選択を迫られるとしたら、たとえ本当に私がエイヴォンと共に封印されることになったとしても同じ行動をするだろう。
一体子供たちになんの罪があるというのだ…。心を持った人間ならば誰でも、哀れな子供たちが恐ろしい疫病の犠牲者となるのを見過ごしはしないはずだ。
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(ページが抜け落ちている。)
31 ページ
モリアン。
戦争の女神がなぜ人間を守ろうとするのか、真の理由を知る者はほとんどいない。女神とかなり長い時間を共にした私にも、実はよく分からない。謎はしばらく置いておこう。今は女神に従うしかないのだ。ベラを連れていった…キホールを捜す、唯一の鍵なのだから。
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(ページが抜け落ちている。)
43 ページ
いつの間にか、王城ラフがその威容を備えつつある。木と石を運び、積み上げながら様々なことを考えた。私は強くならなければならない。ラフの城壁のように、堅くならなければ。
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(歳月の流れに負けたのか、ページが抜け落ちている。)
59 ページ
ネベドを征服しようとするポウォールの挑発が繰り返されている。今日もポウォールとの激しい戦闘で負傷してしまった。しかし、肩に食い込む刃の苦痛にもひるむわけにはいかなかった。
キホールに会うまで、絶対に倒れられない。
60 ページ
人を失うことには、決して慣れることがない。私がいくら多くの人生を、多くの時間を生き、覚えきれないほどの人と出会ったとしても…。今日もまた親しい友人がこの世を去った。
今夜はとても、ベラに会いたい。
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(ページが抜け落ちている。)
85 ページ
クロウクルアフ…
天地を揺るがす強大な咆哮を前に、私も思わず目を閉じてしまった。しかし、再び目を開くと、クロウクルアフは姿を消していた。ヌアザが私を罠にはめたのだろうか?ヌアザは信じられない…。
彼が感じた人間に対する失望が、根深い憎悪に変わっていくのを感じる。
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(ページが抜け落ちている。)
90 ページ
女神よ!女神モリアンよ!
いくら呼んでも女神は応えない。石となった女神は私との約束さえ忘れてしまったようだ。恨みの込められた一喝にも、女神は何も語らなかった。
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(歳月の流れに負けたのか、ページが抜け落ちている。)
94 ページ
昨晩。
あなたが私の日誌を読んでいる夢を見ました。今、見ているのですか?私の日誌を盗み読むあなたは何者です?
ハハ、容姿端麗とは言えないようですね。
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(ページが抜け落ちている。)
101 ページ
ザブキエルが引き起こした災いは恐ろしいものだった。巨大な月石がエリンを焦土に変えた。
未来を知っているのだから、他の人々に知らせるだけで世界を変えられるという考えは、私の愚かな錯覚だった。これからは自分の力を強化しなければ。
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(ページが抜け落ちている。)
105 ページ
家に帰れない友人に頼まれた。自分の家族をよろしく頼むと…。だが、私が到着したときはすでに手遅れだった。
申し訳ない。マウラス。
107 ページ
そうだ、これからお前をこう呼ぼうか?
ナオ=マリオッタ=ブラデイリ。
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(ページが抜け落ちている。)
124 ページ
……今日も物寂しい野戦テントの中には静寂だけが漂っている。焚き火の周りを隙間なく囲む兵士たちは、いつの間にか戦争初期の笑いや余裕を忘れ、残り少ない軍用食料の乾燥肉をくちゃくちゃと噛んでいる。
ゆっくりと…とてもゆっくりと。まるでゆっくり唾液に溶かしながら食べれば量が増えると信じているかのように…。当初、私はあまりにも自信満々だった。自分たちが勝つことを知っていたから。勝つことが分かっている戦争に、何の困難があろうか。
私がこれまでに積み重ねてきた経験と能力を思い切り発揮して、この勝つことが分かっている戦闘で少しでも人命の犠牲を減らすため、そして少しでも多くのものを得るために微力ながら役に立ちたいと思ったのは、欲張りだったのだろうか?
きっと…未来を知っていても、そして私のようにどこまでも強くなる人間でも…一個人の力はあまりにも無力だ。
平和な日常を、そよ風が吹き陽炎が揺れる小さな湖面を血の色に染めるこの残酷な戦争の中で、血は何をしたのだろうか?
私は確実に自分が早く戦争を終え、平和を取り戻すための力になっているのだと思っていた。しかし…しかしそれは私の錯覚に過ぎなかった。結局私がしたことは、残忍なひとりの人間として私と同じくらいに残忍な他の魔族を殺し、苦しめただけ。そしてその結果は、種族の間に生まれた更なる憎悪と怒りの溝…。女神モリアンよ…あなたが私に望んでいることは何なのですか……。
今日はとてもベラに会いたい。明日の戦闘のために今からでも仮眠を取らなければ。
???
(誰かがページを破った痕跡がある。)
信じられない悪夢を見た。
単なる悪夢にしてはあまりにも生々しい。永遠の死が訪れたミレシアンが倒れていて…ベラの手によって最後のミレシアンが死を迎えた。
ミレシアンの…滅亡だ!
???
(もう残りのページはないようだ。)
選択…
そしてあなたが払う犠牲。
- 未来のあなたへ…