- 煮る:加熱料理の基礎 -
Boiling : Basic Step of Heat Cooking


ドニアス 作



1.調理方法の種類と「煮る」

食べる事に品格と意味を付け加えるため、人々の努力は 多様な材料を色々な方法で調理し、栄養と味の深みを出すのに注目が集まった。

こんな多様な調理法は火を使うか使わないかによって 大きく加熱調理法と非加熱調理法で分けられるが、 この中、水を使って煮る方法は加熱調理法の基本だと言える。

2.「煮る」歴史と意義

煮るは容器や調理道具に水を入れ、これを他の材料を加え、一緒に加熱する方法だ。

煮るような料理は火を使う方法の中でもっとも基本的な方法だと言えるが、 その歴史は実際、焼く、蒸す方法よりは短時間でできる。煮ることは基本的に水を使う調理法であるため、 その使い方が器の発達により、変わったのである。

煮るような調理法の料理は吸収が早いという点で意義を持つ。 身体での吸収が早いということは基本的に加熱調理法の特徴だが、 特に、煮ることは水を使って、細かい材料を大きく膨らますだけではなく、 硬い材料の組織を柔らかくする。 このように作られた料理は消化にも良い。

3.「煮る」長所

それでは、これから煮ることの長所を調べてみよう。 煮ることは他の調理法に比べ、次のような長所がある。

-材料をまんべんなく加熱させる。
煮ることは水を使い、材料全体を加熱させられる。 つまり、焼くことと違って、手間をかけなくても材料をまんべんなく熟させられる。

-色んな材料の味が一箇所に溶け込ませ易い。
手間かからず、材料の配合を調節し、水に入れ加熱するだけで 多様な材料の味を水に吸い込ませ、一箇所に解け込ませるのにとても効果的な調理法である。

-温度を調節し易い。
水を使うので、調理温度を確認し、 他の調理法に比べ、温度の調整がしやすく、調理法もすぐ覚えられる。

-一度に大量の料理が作れる。
水と料理の材料を入れ、過熱する容器の大きさによって、 他の調理法に比べ、大量の料理が作れるという点でも煮ることの大きな長所のひとつである。

-材料に残り易い菌を消毒
どんなに衛生的な環境でも病因になる菌が存在する。 煮る方法で料理をすると材料が持っている或いは加工する中で一緒に付いて来た菌が持っている毒が消せる。

この他にも、煮る方法は水に味付けをし、ほかの材料にも浸透させ、 味の一体化にも効果的な調理法である。

4.「煮る」短所

しかし、煮るような調理法は優れた部分だけがあるわけではない。

-調理温度の限界と時間的な問題
煮ることは水を使う。 水の温度の上限が、調理温度の上限であるため、 充分な熱が必要となり、調理時間が長くなることが多い。

-栄養素の破壊
長時間水に入れ、加熱すると、 料理材料が持っている栄養素のいくらかが水に溶け出てしまう。 また、材料の栄養素の中で熱に弱いものは栄養素が破壊され 材料のもとの風味を失うことがある。

5.正しく「煮る」

よって、煮る方法で料理をする場合には必ず、次のようなふたつの事項を覚えておくと良い。

-温度
これは煮る時の温度をどう維持するかの問題である。 もちろん、煮るような調理法には一定の限度以上の温度で加熱できないが、 材料を入れる時の温度を維持するか、 最初の加熱時から材料を一緒に入れるか、 それとも、水が沸いた時入れるかを判断するのもこの段階に入る。

-時間
これは加熱する時間を意味する。 加熱し過ぎると栄養素がたくさん破壊され、味も美味しくなく、でき上がった料理の色合いと質感も落ちる。 加熱時間が短いと温度の限界で、材料が十分に加熱されないことも起きる。

つまり、温度と時間、このふたつを料理材料と作ろうとしている料理によって どう調節するかを身に付けておくのが この煮るという基礎的な料理方法を効率的に使える始めの一歩になる。