- シェフの料理講座 -
Chef's Easy Cooking Series

蒸し編
Steaming


ハリー著



皆さんは子どもの頃、遠足や旅行などの際にお母さんが持たせてくれたゆで卵と蒸したジャガイモの味を覚えていますか?

お母さんがゆで卵と蒸したジャガイモを作った時に使った調理法は、茹で・煮ると蒸し。
これら二つの調理法の違いは何でしょうか。

簡単に言いますと、水に食材を浸した状態で加熱すると'茹で・煮る'、水を沸騰させて出る蒸気で加熱すると'蒸し'です。

'蒸し'は'茹で・煮る'からワンステップ進化した調理法です。'茹で・煮る'を同時に使う複雑な調理法でもあります。
では、何故調理人たちはこのように複雑で手間のかかる調理法を使うのでしょうか?

'蒸し'は調理する際に食材を水に浸さず、水を沸騰させる事によって出てきた蒸気が食材の隙間に行き渡り、間接的に加熱する調理法です。
鮮度が落ちづらく、栄養素や肉汁の損失を防ぎ、食材本来の風味と色、形を保てるという長所があります。

なお、調理の際に温度を調整しやいため、焦がす事もありません。調理の際に失われる水溶性成分も他の調理法に比べ少ないです。

* ジャガイモ、ニンジン、かぼちゃなどを調理する際にちょうど良いです。
* 緑の野菜、キャベツ類は色と香りが変わりやすくなるため、十分な注意を払わなければなりません。

ただし'蒸し'は基本的な調理法である'茹で・煮る'に比べ多くの燃料と時間が必要となり、調理中に調味できないという短所もあります。

'蒸し'を応用して'蒸し煮込み料理'を作る事もできます。蒸し煮込みとは、食材に香味を付けて蒸した料理の事です。

蒸し煮込み料理はメインとなる食材にタレと調味料、そして少量の水を入れ、長時間じっくり蒸して食材本来の味を引き出す事が大事です。

* 蒸し煮込みの主食材:海鮮、肉など
* 蒸し煮込みの副食材:野菜、キノコ、卵など

蒸し煮込みと呼ばれる料理は種類が豊富で、作り方も様々です。

水を使った加熱調理の中で最も手間のかかる蒸し・蒸し煮込みの調理法を身につけると あなたも一流シェフに一歩近づく事ができるでしょう。 より豊富で美味しい料理に出会える事、間違いなしです。

真のシェフを目指しているそんなあなたに、 蒸しと蒸し煮込み料理をお勧めします。