作者未詳の歌 -下-
Unknown song -2-


ケヌーク著




はじめに

前述したように、遺物探査中に見つけた作者未詳の楽譜を読みやすく復元した。 楽しい時間を送っていただきたい。

(我々は特別問題がなかったが、もしこの歌を利用することで起きる 不利益があっても一切責任を負わないので、できるだけ参考用としてのみ利用してほしい。)

タイトルなし

荒波を越え現れた一隻の船の上から
スカアハは見た、
白く飛翔する滴を。

目の前に巨大な島が
船を包み込むように現れたとき
私の冷たい心臓は引き裂かれてしまった。

スカアハが船首の端から見た私は
深く冷たい海に見えるものは
白波に乗ってきた私にとって
命溢れる穏やかな野原。

スカアハは見る
透き通った波が自身に向かって嬉しそうに
甲板の中に押し寄せる姿を。

私は見る
この穏やかな休息所が
枯れ果てるほどに燃え上がるふたつの目を。

スカアハの視線がとまる場所に
神聖なる息子マポヌスの軍馬が駆け付け
私の子供たちは百雷のごとく音を立て流れる。

あなたが浮かんでいる水面の輝き
あなたが感じる濃密な風の熱気
あなたが切り裂く波のしぶき
そこは抵抗することなく迎える私の海。

花々が咲き誇る幸せな野に見えるのは
美しいあなたの姿だけ
しかし密かに
野原を横切り駆け付けてくるだろう。

(…)

白い砂浜の上を
あなたの船が丘を越えて泳いでいく
船首の下には熟しきった実のなる森がある

打ちのめされた草木の香りに酔ったように
あなたは口を閉ざす

孤独も寂しさもない森。

スカアハよ、
私はあなたを…

(この後ろは水に濡れていて文字が読めない。)